ディオニシア・アレティオイデス
ディオニシア属は約60 種が中央アジアに分布しています。暑さそして多湿にも弱い性質をもっています。イランのアルボルズ山脈の3,000m辺り、石灰岩の岩場の日陰などに見られます。英国のキュー植物園の留学の帰途、マイカーで欧州各地を通過後、ヒマラヤに向かう途上、テヘランからカスピ海に抜けました。アルボルズ山脈の峠を越えますが、ダマーヴァンド(5,610m)などの山々が南北の壁になっていました。春にはディオニシアや野生のチューリップの花が見られる乾燥した高地を抜けると、カスピ海に下ります。そこは多湿地帯となり、コメも栽培され日本を思わせる地帯が広がります。英国でもこの小さな高山植物を宝物のようにして栽培されますが、フレーム内の結露などで冷たい水滴が落ちるだけでも枯れ込むなど気を遣う植物でした。高さ数cmのクッションプラントで愛らしいものです。
Genus Dionysia native to Central Asia. D. aretioides occurs at an altitude of 3000m on Elburz Mountains in Iran and is a perennial forming a compact cushion up to 7cm in height with fragrant slender-tubed yellow flowers.