館長のきまぐれ日記

新年あけましておめでとうございます

2022.01.01

昨年は新型コロナウイルスによる休館もありましたが、 

大勢の方にご来館していただきまして大変ありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は植物の名前のお話しをしたいと思います。実は植物の名前は案外難しいんです。咲くやこの花館の植物ラベルには、カタカナの名前のものが多く、分かりにくいと思われている方もおられるかもしれません。
 植物の名前の難しさは、大きく分けて2点あります。一つは学名で、もう一つは日本語の読みに関することです。当館の植物ラベルには、アルファベットとカタカナの二つの植物の名前が書かれています。同じラベルに科名や原産地が表記されているものもあります。

 アルファベットで書かれた名前は、英語ではなくラテン語です。これは学名と言って、ラテン語で表記され、国際植物命名規約に基づいてつけられているもので、世界共通となっています。学名や科名は植物の分類が変わると変更される場合があり、このところ、この植物分類に大きな変化が生じています。簡単に説明すると、以前の形態による分類から、DNAの塩基配列の解析による分類が進んでいて、これまでと大きく植物の分類が変化しているのです。この対応に追われているというのが一つ目の問題です。

 二つ目が日本語の読みの問題です。咲くやこの花館の植物は海外の野生植物が多いため、和名がついていないものがほとんどです。このため、日本語でも読めるように、学名の読み仮名をつけています。この読みに、また難しい問題があります。

 現在市販されている植物で、和名のない植物が学名の読みで呼ばれることが多くあります。この場合、英語の読みで呼ばれることが多いですが、実は、日本人がローマ字を読むときの発音が、「世紀前50年ごろのローマ市民の発音であったと推定される発音法」に近いそうで、この発音法を用いることが世界的に奨められています。(詳しくは「園芸植物大辞典」(小学館発行)の凡例をご覧ください。)このため、当館ではこの読み方に準拠しています。例えば、クリスマスローズの属名のHelleborusは、この読み方に従うと「ヘレボルス」となり、英語読みでは、「ヘレボラス」となるといった具合です。ですので、皆さんが思っている読みと異なる場合がありますが、このような理由があったのです。
 そこで「植物ラベルの見方について」という解説文を作りました。館に入ってすぐの案内所裏側に貼ってあります。また、A4でも印刷していますので、ご希望の方は案内所でスタッフまでお申しでください。

 咲くやこの花館は、新年1月5日から開館しています。12月からのPOPなきのこ展を引き続き開催していますが、12月には開催していないトークショーやコンサートも実施しています。また、1月8日からはこけ展を開催いたします。ぜひお出でください。

(写真はきのこ展を準備する咲くやこの花館のスタッフ達)

 

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